ひろく一般のみなさまへ

言問学舎から一般の方へのお知らせです。

AI時代だからこそ、「読む力」を育てましょう!

2021年05月24日

 昨年、2020年初頭から日本国内でも新型コロナウイルスの感染者が認められ、この1年半ほど、子どもたちの身めぐりもコロナ対策に翻弄される状況がつづいています。しかし気がつくと、時代は2020年代に入っています。

 2000年代、言ってみれば「00」年代は、「ゆとり教育」の時代でした。「10」年代に入って「学力重視」への回帰が図られましたが、「国語力」・「読解力」、とりわけ現場で生の子どもたちの「読みとる力」を間近に見ている立場からすると、時を追うほどにその力が弱くなっていることを、指摘しないわけに行きません。

 具体的な例を挙げます。

@算数や数学の文章題で、問われている(求められている)内容が理解できない。
A国語の文章を読んでも(音読をしてさえも)、その内容が読みとれていない。

 このような学力の不足は、もちろん40年前、50年前にもみられましたが、近年@Aの例の通りのお子さんが、とみに増えているのです。またその度合いも、この20年の間で比べても、強くなっていることを感じます。このような時代に求められるべきものこそ、私ども言問学舎が提唱、実践している「真の国語教育」にほかならないと考えます。

 「真の国語教育」とは「知識」や「解き方」、「形」を教え、訓練するだけでなく、学習者自身が文章を正しく読みとり、時にはそこに書かれている以上のものを受けとめるだけの力を育むことです。それはやはり、「文章を読む」ことでのみ、培われるものでしょう。

 また、「文章を読む」ことは、ある意味忍耐を要することでもあります。そのかわり、忍耐の段階を通りすぎ、文章を読むことの楽しさを知る段階にまで達すれば、そこには深い魅力的な世界が待っているのです。先人の文章を読んで広い世界を知り、次いで自分の世界を構築して、また新しい文章を生み出すという、多くの先人たちの繰りたたねて来た「文章にまつわる営み」こそが、人間の考える世界、心の広がりを生み出して来たということに、異論のある方は少ないのではないでしょうか。

 しかるに最近の子どもたちを見ていると、「結果」を得ることにばかり気持ちが向いていて、文章を読むことに集中することができないのではないかと受けとめられます。また教師の話を聞かず、勝手にどんどんテキストの問題を解いて行く子も散見されます。もちろん言問学舎では、そうした行動は見過ごさず、「話を聞かない」ことにどれほど大きな損失があるか、語り聞かせます。しかしいずれにせよ、結果を求めることばかりが重視される社会のありようが、子どもたちの勉強にも投影されているのではないかと考えないわけに行きません。「00」年代後半から、私は「デジタル」的なものが生活の各場面をひたしていることが国語力低下の一因ではないかと述べて来ましたが、「結果を求める」社会の実情もあわせて考慮すべきであろうということを、近ごろでは強く考えるようになりました。

 言問学舎でも、昨年以来Zoomを利用したオンライン授業をすすめています。日々改良を加えておりますが、やはりデジタル環境を介した接触では、「結果直結」の側に寄って行く傾向が強いように思われます。ただその点を否定、回避ばかりするわけにも行きませんから、ほかにYouTubeを活用して、生徒が読むのに苦労するような文章を、動画の音読併用で読ませる取り組みも導入しております。YouTube導入の代表例は、森鷗外の『舞姫』です。原文を動画で音読して聞かせた上で、言問学舎舎主小田原漂情のオリジナルの全文現代語訳と読解ポイントのまとめシートに取り組ませる形で、2020年の5月から6月にかけて、当時の高校3年生、2年生に授業として提供しました。

 その結果、2020年度の高校3年生の過半数は、当初こちらが企図していた、「『舞姫』をきちんと教えれば、小説も評論もしっかり読み解けるようになる」とのねらい通り、大学受験過去問演習(センター試験過去問や私立大学国語の読解問題)の論説文においても、それ以前とは異なる得点力を示してくれました。国立大理系受験者が共通テストの国語の得点を決め手にして合格した例もあります(宇都宮大学農学部)。またその時の高校2年生は、いま3年生になって、『舞姫』の作品世界をなつかしみ、積極的に学校の授業に取り組んでくれています。

 こうした「読む力」を育てる国語指導こそが、「真の国語を教える言問学舎の国語教育」であり、より多くのお子さんたちに、この国語指導を広めて行く必要があることを、痛感しております。2019年3月に、文章を読み、考えて、自分の言葉で書く力を身につけさせる言問学舎ならではの国語教材『国語のアクティブラーニング 音読で育てる読解力』の通巻第1巻を出版し、以後通巻第3巻まで順次刊行致しております(近日中に通巻第4巻を刊行するべく、現在編集をすすめております)。

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 また本年3月には、東日本大震災の犠牲者追悼を志し、小説『たまきはる海のいのちを‐三陸の鉄路よ永遠に』を出版致しました。この本は純然たる文学作品ですが、弊塾の高校2年生(現3年生)には出来後に一読させ、それをもとに現代文読解の授業を行ないました。「生きた国語を教える塾」としての実践ですが、文学作品を生徒に味読させる際、『国語のアクティブラーニング 音読で育てる読解力』の「読解シート」に近似した内容読み取りシートを用い、「読み、考えて、書く」ことを実地に繰り返させ、読解力を向上させております。

表紙たまきはる海のいのちを_四六判【カラー表紙】.jpg

 いずれもAmazonにて即日出荷体制でご購入いただけます。
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「国語教育」をひとつの枠組みだけでくくることは不可能ですが、これらの内容がこの三十年ほどの国語指導の場でもっとも欠けているものだということは、疑いないと思われます。AI時代、グローバル化の時代であるからこそ、ほんとうはもっとも大切な、「人としての力」である「読む力」を、言問学舎でじっくり育ててみませんか。5月29日(土)に夏期講習プレ説明会を開催致します。

http://blog7.kotogaku.co.jp/article/188699994.html 夏期講習プレ説明会ご案内


◇電話番号は以下の通りです。 
 03‐5805‐7817 舎主・小田原漂情までお願いします。
 メールはフォームよりお願いします。

言問学舎の生のすがたは、こちらの動画からもご覧いただけます!
https://www.youtube.com/watch?v=c2OdlIl8T44

国語の勉強をお手伝いする国語専門サイト・国語力.com
http://www.kokugoryoku.com

posted by 言問学舎 at 20:52 | Comment(0) | TrackBack(0) | ひろく一般のみなさまへ
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